雌型にガラスの粉末素材を詰めて窯で焼成する、紀元前15 世紀ごろに古代メソポタミア文明で発展した「幻の技法」です。
この阿弥陀如来立像は、凡夫の肉眼には不可視な仏陀の悟りの境地を、光をもって表現したいという思いが込められています。
パートドヴェールは、紀元前15世紀ごろに古代メソポタミアで興ったガラス工芸のひとつで、木あるいは粘土の原型より耐火石膏で型取りした雌型の中に、ガラスの粉末を充填して窯で焼成し、徐々に冷やしてから型を割り出して成型する技法です。
ローマ時代に吹きガラスの製法が考案されたことでこの技術は廃れ、以来、「幻の技法」と呼ばれてきました。パートドヴェールが再び日の目を見るのは、アール・ヌーヴォーが華開いた19世紀末。フランスの陶芸家、アンリ・クロがこの技法を復興させたことによります。しかし、クロはこの製法を秘伝としたため普及はしませんでした。ガラスの色を自由に調合し、細部におけるまで豊かな色彩表現が可能なことから、20世紀になって再現を試みる作家がわずかながらも増えています。独特の素朴な感触と温もりを感じさせる質感が人々の心を魅了しています。
江里康慧氏は、仏師の家に生まれ、幼いころから木に囲まれて育った、生まれながらの仏師です。この作品は、江里氏の「佛様とは何か?」という日々の問いかけから生まれたもの。凡夫の肉眼では見ることのできない佛の世界を突き詰めていくと、それは「光」なのではないか・・・・・・この想いからつくりあげたのが、蓮の上に光とともに浮かぶパートドヴェールの阿弥陀如来様のお姿なのです。
日本工芸会正会員の石田亘氏との共同制作。
作品に関するお問い合わせ、ご購入のお問い合わせはこちらから
はせがわの伝統美術工芸「ハートカラー」 TOP _ ハートカラー パートドヴェール
