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京蒔絵説相箱「四季」

一千年以上もの間、都として栄え、日本中の芸術・文化の発信地であった京都。なかでも伝統工芸の粋を集めた京仏壇や京仏具は、絢爛さと「わび・さび」を持ち合わせた格調の高さが持ち味です。
華やかな京蒔絵を施したこの説相箱は、四面に春夏秋冬が描かれ、完成までに5年の歳月を費やした至高の美術工芸品です。

華やかな京蒔絵で描かれた日本の四季が見事な逸品

説相箱とは、法会の時に用いる袈裟や法具、香炉などを納めて脇机上に据え置くもので、その用途によっては居箱や香炉箱などとも呼ばれます。 豪華絢爛を極めたこの説相箱は、桐の木地に伝統的な京蒔絵を施しています。
長く日本文化の中心地でもあった京の都では、専門職人たちが卓越した技を研鑽し、次々と独自の手法が生まれていました。特に漆の分野では、塗師はさまざまな職方を束ね、仕事を采配し、流通までをもつかさどる統括的な役割を果たしていました。それだけ、京都は漆工芸の文化が発達した地域であったともいえます。
この京蒔絵説相箱は、桐の木地にうるみ色の漆を施し、四面に春夏秋冬を鮮やかに描いたたいへん美しい作品です。完成までには木地の乾燥も含めて5年の歳月を費やしました。蒔絵のほかにも、青貝を薄く削いで貼り付ける螺鈿細工など、熟達の技法が随所に用いられています。内張りは正絹の緞子(どんす)で、繊細で滑らかな質感です。
箱の縁には一つひとつ手づくりの純銀金具が取り付けられています。通常、これらの金具は漆塗りの後に付けられますが、この説相箱の場合は金具が先で、それから塗りと蒔絵を施しています。金具と接するきわの塗りや研ぎには極めて高度な技術を要し、作品全体としてさらに緻密で、凛とした仕上がりになっています。

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