だれかがこころのなかで思っていてくれる、それだけであったかい気持ちになれる。
おかげさまの言葉ひとつで、こころが微笑んだり、穏やかになったり。
小さな幸せに合わせた手の向こうに、命のつながりを感じたり。
相手を思う気持ち、信じること、願うこと、感謝すること、祈ること....
みんな目には見えないことだけれど、こころを優しくしてくれる大切なこと。

日本では、古くから家の中に氏神さまやご先祖を祀る祭壇がいろいろな形で持たれてきました。お仏壇は室町時代に書院造りの床の間が遠い先祖を祀る神棚と、近い先祖を祀るお仏壇に分かれ、現在のお仏壇の原型ができたと伝えられています。
家の中にお仏壇を祀る....これは、インド、タイをはじめとする仏教国にもあまり例が見られないことです。命のつながりを大事にし、そして大切に受け継いでいきたいという日本人のこころが「かたち」になったものと言えます。
お釈迦さまの遺骨(仏舎利)を分けて安置するために建てられた塔、仏舎利塔(ストゥーパ)の基礎を「壇(だん)」と言い、お仏壇の壇はここからきていると伝えられています。日本では、『日本書紀』二十九巻に、白鳳14年(西暦685年)、天武天皇が「諸国の家ごとに仏舎(ほとけのみや)を作り、仏像と経巻を置き、礼拝供養せよとの勅(みことのり)を出された」という意味のことが書かれており、有力者が持仏堂をつくることをすすめたとされています。この持仏堂が書院造りのなかでお仏壇となり、庶民の暮らしが豊かになった江戸時代には、各戸にお仏壇を設け、朝・夕礼拝し、ご先祖の命日には僧侶を招き供養するという習慣が定着しました。
お仏壇には、浄土の世界を表すためにさまざまな装飾が施されています。宮殿柱には、ギリシャの月桂冠をモチーフにしたブドウ唐草、欄間(らんま)には古代ペルシャの鳳凰(ほうおう)、その他中国の龍、インドの孔雀(くじゃく)や天女などシルクロードの文化が集約され、蒔絵や精巧な彫刻で表現されています。これらのモチーフは、宮殿を造る宮殿師(くうでんし)、漆を塗る塗師(ぬし)など仏壇七職といわれる仏師たちの手で入念に配置され、丹念に仕上げられているのです。 シルクロードから伝えられ独自に磨かれた日本の伝統美術工芸の技と精神を受け継ぎ、現代に伝える美術品といっても過言ではありません。
家族の命のつながりの中心になるもの、だからこそ心技を施す。先達がたどり着いた「祈りのかたち」がお仏壇です。

家族の願いや祈り、そしておかげさまの心が受け継がれてゆく大切なもの。だからこそ、素材から細部の一つひとつまで徹底してこだわり抜く。それが、はせがわのものづくりの基本です。
はせがわでは、伝統を重んじた本格的な金仏壇をはじめ、江戸指物の匠による唐木仏壇、オーダー仏壇、そして現代のライフスタイルに対応する新型仏壇、お厨子まで、さまざまな祈りのライフスタイルにお応えします。
